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翼状片手術

翼状片・再発翼状片

主に鼻側の結膜が角膜に入ってくる病態です。手術で切除しても再発しやすい特徴を持っています。
翼状片は、発生すると鼻側(内側)から角膜に向かって結膜(白目)の組織が入ってくる病気です。主な原因の一つには、紫外線(特に強い日差しや長期間の紫外線暴露)が関連しているとされています。そのほかにも、環境因子、遺伝、乾燥、風なども翼状片の発生に影響を与える要因とされています。

症状・治療

小さな翼状片では見え方にはほとんど影響がありません。ただし、翼状片が進行し角膜を覆い始めると、視力の低下やものがダブって見えるなどの症状を引き起こすことがあります。小さな場合は定期検査で経過観察を行いますが、進行した場合には手術を検討します。

宮田眼科鹿児島に設置している機器について

角膜の状態をより正しく捉えるための最新の機器を揃え検査を行っています。

前眼部光干渉断層計 CASIA2

測定光に赤外線を用い、角膜が濁っている状態でも、その断層像を得ることができます。角膜前後面の屈折、角膜の厚み、角膜の混濁の程度など多くの項目を一度の測定で計測することができます。角膜潰瘍における角膜の厚みの変化、円錐角膜の進行度、水疱性角膜症における角膜の浮腫の程度、翼状片における角膜の歪みの程度など様々な疾患に用いることができます。

スペキュラーマイクロスコープ

角膜内皮の形態を撮影し、密度や大きさ、形のばらつきを測定します。角膜内皮細胞はヒトの生体内では増えることのない細胞で、年齢とともに減少し、コンタクトレンズ装用や白内障手術などの内眼手術でも減少することが知られています。スペキュラーマイクロスコープは鏡面反射の原理を用いて角膜内皮細胞の形を撮影し角膜内皮細胞の状態に関する検査を行います

図6 前眼部OCT CASIA2
図1 前眼部OCT CASIA2
スペキュラーマイクロスコープ
図7 スペキュラーマイクロスコープ画像
図2 スペキュラーマイクロスコープ画像

翼状片手術

翼状片手術は角膜に侵入した翼状片を切除し、結膜を縫合します。手術は局所麻酔で行われ、30分程度で終了します。安全性の高い手術であり、術中の合併症はほとんどありません。術後しばらくは白目の部分が出血のため赤くなりますが、徐々に改善します。また以下の症状が起きることがあります。

  1. 再発:手術後に翼状片が再発することがあります。再発率は5%程度ですが、若い方では再発する可能性が高いことが知られています。再発を予防するため、点眼薬を術後1年程度は使用することが重要です。
  2. 疼痛:切除するため痛みが2-3日程度続きます。痛みを軽くするため、眼軟膏やソフトコンタクトレンズを使用することがあります。
  3. 視力の変化:翼状片手術後は角膜の形が変化するため、見え方が変わる場合があります。矯正視力が低下することはほとんどありませんが、裸眼視力(メガネをかけない視力)については低下する場合もあります。

手術の概要

翼状片を切除します
図3-a 翼状片を切除します
フラップ(弁)を作成します
図3-b フラップ(弁)を作成します

まれに術後に感染症を起こす可能性もあるため、手術後は目を触らないようにご注意ください。また痛みや視力低下を感じた場合には早めに医師にご相談ください。

フラップを縫合します
図3-c フラップを縫合します
手術終了
図3-d 手術終了