白内障の原因とは?
白内障は、目の水晶体が濁る病気で、主な原因は加齢です。加齢以外にも、紫外線の影響、糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬などの薬剤使用、目の外傷や打撲が原因となることがあります。さらに、喫煙は多くの病気のリスクを高めることが知られており、白内障や加齢黄斑変性症のリスクも喫煙によって増加します。
また、血中の糖分がタンパク質と結合して最終糖化産物(AGEs)を形成し、これが目における酸化ストレスや糖化ストレスを上昇させ、白内障の原因になるとされています。
白内障の予防
- 紫外線への対策
- 適度な運動を行う
- 糖尿病などの疾病予防
- 禁煙
- 食生活の改善
- 点眼薬
① 紫外線への対策
紫外線がシミや皮膚がんの原因となることはよく知られていますが、目も皮膚と同様に紫外線の影響を受けやすい組織です。紫外線は白内障の発症や進行を促進することがあり、特に紫外線の強い地域に住む人や屋外での活動時間が長い人はリスクが高まります。紫外線は角膜と水晶体の間を満たしている前房水によってある程度吸収されますが、一部は水晶体にまで到達します。
目の紫外線対策としては、紫外線カット機能付きのコンタクトレンズやサングラスが効果的です。眼鏡にも紫外線カット機能付きのレンズが多く使用されています。また、紫外線は正面だけでなく側面からも入るため、帽子やサンバイザーも効果的です。
サングラスを選ぶ際には、側面や上方からの紫外線を防ぐゴーグル型のものが特に有効で、色の濃さではなく、紫外線カット率の高さに注目することが大切です。
紫外線対策は夏だけではなく、年間を通して必要です。適切な対策を行うことで、紫外線による目のダメージを予防しましょう。
② 糖尿病などの疾病予防
糖尿病
糖尿病のある方は、健康な方と比べて白内障を発症するリスクが約5倍高いとされています。また、糖尿病の薬を服用すると、さらに白内障の発症リスクが高まることがあります。特に糖尿病による血糖のコントロールが不十分な場合、白内障が急激に進行することがあるため注意が必要です。さらに、糖尿病は白内障だけでなく、失明の原因となる糖尿病網膜症や腎疾患などの全身疾患を引き起こすこともあるため、予防と適切な管理が重要です。
糖尿病を発症した場合でも、食事管理や運動を取り入れ、病状をコントロールすることが大切です。
ステロイド薬
ステロイド薬は、全身疾患の治療に用いられる内服薬や喘息治療で使用される吸入薬などが、白内障の原因となりやすいことが知られています。ステロイド薬による白内障は、発症すると進行が早く、数ヶ月から1年程度で手術が必要になるほど視力が低下するのが特徴です。また、ステロイド薬は白内障だけでなく緑内障のリスクも高めるため、使用時は定期的な眼科受診が必須です。
③ 食生活の改善
特定の食事だけで白内障を完全に防ぐことはできませんが、バランスの取れた食生活を心がけることで、様々な病気のリスクを減らすことが期待できます。特に、白内障の進行要因となる糖尿病は、食生活の改善によってある程度コントロールが可能です。
④ 適度な運動を行う
適度な運動は血流を促進し、白内障の予防に効果があるとされています。また、生活習慣病の予防にも役立ちます。ただし、屋外で運動をする際には紫外線対策を忘れずに行い、目を守るようにしてください。
⑤ 禁煙
喫煙は白内障や加齢黄斑変性の発症リスクを高めると指摘されています。喫煙は他にも多くの全身疾患のリスクを高めるため、禁煙することで白内障を含む様々な病気の予防に繋がります。
まとめ
生活習慣病の予防と同様に、健康的な食生活や運動、他にも紫外線対策や禁煙などが白内障予防にも役立つとされています。しかし、これらの対策を行っていても、白内障を完全に防ぐことはできません。さらに、白内障以外にも加齢とともにリスクが高まる目の病気が存在します。そのため、目の健康を維持するためにも、定期的に眼科を受診し、目の状態をチェックすることを心がけましょう。